八月十六日

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八月十六日

この角度から、貴方(あなた)を見るのが好きなんだ。 貴方の(なな)(うし)ろ、立木(たちき)(みき)に寄りかかりながらその姿を(なが)め、僕は今も変わらずそう思う。 その(あご)(ライン)、そこから続く白い首筋(くびすじ)が一番美しく見えるから。 貴方が少し()()がちになると、その睫毛(まつげ)の長さが際立(きわだ)つ。 小ぶりな鼻、薄い(くちびる)凛々(りり)しく結ばれて、僕はいつまでも見ていられる。
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