プロローグ

2/4
前へ
/16ページ
次へ
今から5年前の彼女、五十嵐優果(いがらしゆうか)。    17で歌が好きで     毎週土曜日になると     函館の駅の前の橋の近くの広場で     歌を歌ってた。 彼女なんだから聴きに行けばいいのに     自意識過剰なのは分かってるけど     ただそれだけの事が恥ずかしかった。 だから一度も観に行くことはなかった。 いつも優果が送ってくれる    ライブ動画を観て彼女を感じてた。 特に俺が好きだったのは       「三日月」って歌。 ーー明日は絶対行くから。あの歌、歌うよな。 ーー「三日月」? ーーうん。 ーーホント好きだよね、あの歌。 ーー悪いか? ーーううん、良い。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加