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「三日月か…」
決まって俺が見上げた空には三日月。
さっきコンビニで買ったタバコを蒸し
温くなったビールのリングプルを引くと
プシュっと音を立てた。
それは心の悲鳴に聞こえた。
一本目のタバコを消そうとした時
どこからか聴こえたあの歌。
ーーー君がいない夜だって…
三日月じゃん。
優果?
まさか…。
でもその声は優果そっくりな
優しい響きの中に確かにあった
高音の心の叫びにも似た声。
その歌声を頼りに声がする方に歩いて行くと少しずつ離れて行く渋谷の繁華街。
隣駅の側まで行くと突然途切れた歌。
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