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いつの間にか、私は綾人くんに押し倒されていたらしい。真っ白な天井を背景に、彼が私を見つめている。
拘束された手を胸の前に抱えながら、どうしたの、と彼に問うと、彼は黙って私に唇を重ねた。
そういう気分なのだろうか、とそんなことを思った。確かにここ数日間、彼と一緒にいたのに毎晩彼は勉強ばかりで、身体を重ねていなかったように思う。
彼の舌を受け入れる。どんなにここから出たいと思っていても、彼と身体を触れ合わせていると、どうしても私の奥底から淫らな欲望があふれ出てしまう。
「お前、いなくならないよな?」
唇を離した綾人くんが、私にそんなことを問うた。まさか、彼が私の様子のおかしさに気付いているのかも、とそんな不安が頭をよぎったが、それだったらきっと、こんなに悲しそうな表情をするのではなく、もっと激昂するはずだ。
彼は私の身体に触れた。彼に触れられたところが熱を帯びてくるのを感じる。
身体のあちこちから湧き上がる刺激のせいで、私は彼からの問いかけに反応することができず、肩を震わせる。
すると彼は少しだけ不機嫌そうにしながら、
「なんで、肯定しないんだよ」
と言って、私の髪の毛を思い切り引っ張った。
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