第3章 庇護

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 依央が怪訝そうな顔をする理由がさっぱりわからなかった。  私は依央に、あの3人のことをすでに話していたし、こんなに身体がぼろぼろの状態で何かを口に入れたいとする私の気持ちを、依央は一番にわかってくれていると思っていたからだった。  訳がわからず、私は依央の顔を覗き見た。すると依央は、深いため息をひとつ落として、漂わせていた視線をこちらに戻した。 「お前は基本的に被害者だけど、お前のその男に対する中途半端な態度が、事態をより悪化させてるって、少しは自覚した方が良い」  彼はそんな、呆れを含んだような口調で私にそっと諭した。  私は彼の言葉を聞いて、ああ、そうか、と事態を客観視しては、この場をどう切り抜けようかを考えていた。  胃の中が空っぽになっている感覚と、栄養が足りなくて頭がふわふわとしている状態では、何もまともなことは思い浮かばなかった。私はただ、黙りこくりながら彼の言葉を待つことしかできない。 「……あー、わかったよ。俺との話が終わったら、祥平のこと呼べよ」 「依央との話?」  依央とこれ以上何か話すことがあっただろうかと疑問に思った。私のそんな様子を悟った依央は、深くその首を縦に振ってから、私の方を向き直した。 「俺、夏目先輩のこと、色々と調べてたんだ」
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