第3章 庇護

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 結局、依央の方が折れてくれて、私たちは明日、夏目先輩のところに行くことになった。  先輩に、明日会いたい、という旨のメッセージを送ると、いつも通りの早さで返信が来た。生徒会室で待ってるね、という優しい文面を見ると、何だか調子がおかしくなりそうだ。  学校に行くのはいつぶりだろうか。別に休んでいたのはたったの数日だったが、あの期間はひどく長く感じられる。  明日、学校に行ったらどうなってしまうのだろうか。須藤さんたちは、また私のことをいじめるのだろうか。でも、依央がそれを許すはずがないような気もする。 「じゃあ、明日迎えに来るから」  だから、ちゃんと飯食えよ。と依央が目線を逸らしながら言った。私は頷きながら、充電器に繋がれたままのスマホを操作して、祥平にメッセージを打つ。  そうしていると、玄関の扉がばたん、と音を立てて閉じた。依央が出て行ったみたいだった。  彼の気配が段々と遠くなってくると、私は張りつめていた心が急に緩んだような気分になって、私はひとり、横になって天井を見上げた。  何だか、色々なことが起きすぎている気がする。  綾人くんのこと、夏目先輩のこと、須藤さんたちのこと。全部、全部、嫌で面倒で、苦しい。  私はただ、毎日、必要な睡眠と食事をとって、ただ享楽的な性行為をそれなりにできていれば、それで満足だったはずなのに。  ぼうっと天井を見上げる。そろそろ、体力的な限界が近いみたいだ。
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