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「ねえ、これってキスマ? 誰の? 祥平?」
目の前にいる女の子がねっとりとした声色でそう尋ねてきたので、いや、と言いながら私は首を振った。
それがかえって、逆効果だった。私は余計に、彼女たちを刺激してしまったらしい。
「え、祥平とじゃないなら誰としたの? マジのビッチじゃん、気持ち悪い」
そう言って目の前にいるひとりの女の子が、私の両足の間に足を入れ、私の敏感なところを思い切り踏みつけた。ぐりぐりと押し付けられる足の感覚に思わず顔が歪んで、声が出そうになる。
もう一人の女の子は、ポケットからカッターを取り出した。その鈍い光を見て、思わず身が怯む。その隙に、彼女はそれを使って私の制服のスカートを切った。
切り込みに沿って、スカートが破かれる。もう使い物にならなくなったスカートを見て、私は絶望した。けれどどこかで、制服を買い替えるお金なんてない、と俯瞰している自分もいて、なんだか訳がわからなくなってきた。
無力感によって何もできずに呆然とする私を見て、彼女たちは何だかつまらなそうな顔をした。そしてそのうちの一人が、何かを思いついたようににやにやし始める。
「ねえ、自分でしてみてよ、これ」
彼女は靴のつま先で、またも私の下腹部を刺激してきた。
ほら、動画撮ってあげるし? こういうのって、ネットで高く売れるんだよ? と言って笑う彼女の表情があまりにも純然な感じがしてしまって、どうしようもなくなってしまった。
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