2.いつものたまごプリン

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いつも元気いっぱいな湊くんは千秋と一番仲が良い男の子。千秋の交友関係はあまり広くなくて、大学で仲良くしてる男の子は……湊くんだけかもしれない。 対して湊くんは、明るくて人懐っこい性格で、友達の多い人。どの講義でも誰かしらと一緒にいて、いつも明るい声が聞こえてくる。 そんな湊くんだけど、千秋と同じ講義の時やお昼休みは千秋と居ることが多くて、あぁ仲良しなんだなって、何だか私が嬉しくなっちゃう。 「お昼、食べ終わったの?」 「うん。妃奈も……ちゃんとご飯食べた?」 私の手の中にあるプリンをじっと見つめる。 ……もしかして、プリンだけしか食べてないと思ったのかな。 「食べたよ、たまごサンドとツナサンド! これはデザート!」 千秋に心配をかけないようになるべく明るくそう言うと、千秋の顔がふっと緩み「そっか」と笑顔に変わる。 「妃奈、そのプリン本当に好きだね」 「このプリンは卵の味とカラメルのバランスが絶妙で本当に絶品なの。千秋も食べる?」 「いいの?」 「もちろん! はい……」 プリンの容器を差し出すより前に、千秋が目を閉じ、パカッと口を開けた。 "あーん" 待ちの顔が綺麗で一瞬見惚れてしまったけど、千秋に恥をかかせないよう慌ててプリンを掬い、その口に運ぶ。 薄くて形の良い唇がゆっくりと閉じて、目がスっと開くと、長いまつ毛が目の下に影を作った。 近くで見ると、より一層格好良い。
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