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この事をきっかけに千秋と急激に仲良くなって、休憩中に話をしたり、終わる時間が同じの時は家まで送ってくれるようになった。
バイト前に一緒にご飯を食べたりするようにもなって、何と学部は違うけど大学が同じである事も知り、気づけばお互いに下の名前で呼ぶようになって少し経った頃。
……バイト仲間の女の子数人から、無視をされ始めた。
以前は、仲が良いとまでは言えないものの、挨拶をすれば笑顔で返してくれていたし、休憩室に入れば多少雑談をすることもあった。
それが気づけば、挨拶も返してもらえず、休憩室では完全に私は居ないものとして扱われるようになって。
最初は機嫌が悪いのかな? とか、私が何かしてしまったかな、とか思っていたけど、ふと気づく。
……千秋くんと仲良くなったから、かも。
実際、あからさまに無視をされるようになったのは、千秋と下の名前で呼び合うようになってからな気がするし、そんな対応をしてくるのは、千秋の周りに良く居た子達だった。
原因がこれじゃあ、関係性を改善するために私が努力できることも無くて、そのままの状態でバイトに励んで数ヶ月。
さすがに居心地が悪くて、他のバイトを始めようかと考えていた頃だった。
「俺、バイト辞めようと思ってるんだ」
バイト前、一緒にファミレスで腹ごしらえをしていた千秋が、コーヒーを飲みながらぽつりと呟いた。
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