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喫茶店のバイトは、本当に楽しかった。
店長はいつも穏やかで優しいし、お客さんも常連さんが多くて、店員の私まで可愛がってくれた。
居酒屋の時みたいに酔ったお客さんに怒鳴られることも、執拗に連絡先を聞かれることもない環境は、とても居心地が良くて、ここで働けることに毎日感謝している。
千秋とも必然と一緒に居る時間が増えて、更に仲が良くなった。
大学から一緒にバイトに行って、バイト終わりは必ず家まで送ってくれたり、そのうち休みの日も遊ぶようになって、自然と何でも千秋に相談するようになった。
――千秋と仲良くなるきっかけになった彼氏と別れた後、私は三人の男の人と付き合ったけど、どの人とも何かしらのトラブルが起きて別れてしまった。
その度に千秋は、私の好きなケーキやスイーツをいくつも買って、私を慰めてくれている。
元彼達には、浮気されたり、お酒を飲んだら暴言を吐かれたりして何度も泣いたけど、千秋が居てくれたから、何とか立ち直ることができる。
今回別れた人との事も、千秋のおかげで何とか前を向けそうだ。
「……千秋、いつもありがとう」
「ん、どういたしまして」
千秋の優しい笑顔を見ながら、私はゆっくりと眠りについた。
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