2.いつものたまごプリン

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思わず見惚れていると、愛美が「妃奈?」と、私の目の前でヒラヒラと手を振る。 「は! 愛美が綺麗で見惚れてた!」 「は!? ……何よ、褒めても何も出ないわよ」 ジトッと目を細めて私を見る愛美。表情は怒ってるみたいだけど、頬がほんのり赤くなっている所が本当に可愛い。 うふふ、と溢れる笑みを抑えきれずに愛美を見ていると、「じゃなくて!」と、机を叩きながら抗議された。 「今回も、また千秋くんに慰めてもらったのって聞いてるんだけど!」 「え? うん……まぁ」 「夜中から朝まで?」 「朝まで慰めてもらってはないよ!? 1時間くらいでちゃんと寝たし!」 「寝たの!? 二人で!?」 「別々の布団でね!?」 誤解されないよう高速で返答していると、愛美は勢いが落ち着いたのか背もたれに体を預けて「あぁ、なんだ……」と呟く。 「一緒に寝るわけないじゃん! ……彼氏じゃなくて友達なんだよ」 「あーのーねー、それを言うんだったら深夜に呼び出して慰めてもらったり、朝まで二人っきりの部屋に居るのも、友達って言えるか怪しいもんよ?」 「そっかぁ……」 ……私も、本当は分かってる。千秋は彼氏じゃないんだから甘えすぎちゃいけないって。 でも、私はもう、千秋の優しさ無しじゃ生きていけないんじゃないかって……そんなふうに思ってしまう。
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