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「ほんとだ、美味しいね」
「あっ、でしょ!? 私のおすすめ!」
「ふ、妃奈のおすすめは信用できるね。俺も今度買ってみる」
「……仲良いね〜」
千秋に釘付けになってしまっていた私に、向こうから愛美の声が飛んできたから急いでそっちを見ると、頬杖をついてにっこりと笑う愛美。
その横では湊くんが愛美に体ごと向けて「本当にね!」と、にこにこ話しかけている。
「……愛美ちゃん、ごめんね邪魔しちゃって」
「いいえ〜、妃奈も嬉しそうだし別にいいわよ。相変わらずモテモテだったね」
見てたわよ、と、愛美が笑う。いたずらっ子みたいな表情が魅力的で、うっとりしてしまう。
愛美の事が好きって公言している湊くんも、ときめいたみたいで「可愛い……」と呟いているけど、愛美は意に介さず。
「いやいや、そんな事無いよ」
「いや、そんな事あるだろ。今日も飯食べてたら全然知らない女の子に話しかけられてたくせに」
「湊はちょっと黙ってて」
「うぇい……」
湊くんと喋っている時の千秋は、私と居る時とは違ってちょっと冷たくてぶっきらぼうで、やり取りのテンポが良くて面白い。
千秋に冷たく言われてしまった湊くんは、小さくなって座っている。何かちょっと子犬みたい。
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