2.いつものたまごプリン

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「千秋、何で断ったの? もったいね〜」 愛美に軽くあしらわれてもダメージを受けていない様子の湊くんが、口を尖らせながらそう言う。 ……私も、理由、気になるな。 千秋は、今度は大きくため息をついたかと思うと、少し面倒くさそうに湊くんの問いに答える。 「何でって、好きじゃないからに決まってるだろ。湊は愛美ちゃん以外の人に告白されて付き合うのか?」 「付き合わねぇ! 愛美ちゃん一筋!」 「そういう事だよ」 クールに言い放った千秋の言葉に「なるほど!」と感心した様子の湊くん。 そっか。千秋は、告白されても好きじゃなかったら付き合わないんだ。 告白されたらとりあえず付き合っちゃう私とは大違いだ。……何だか、自分が情けない。 「……どうかした?」 少し自己嫌悪に陥っていた私に気づいた千秋が、首を傾げながら私の顔を覗き込む。 私が落ち込んでる理由なんて、自業自得すぎて言えない。 笑顔を作って「ううん、何でもないよ」と言うと、千秋はそれ以上聞いてこない。 聞いて欲しくない時は必要以上に踏み込んで来ない千秋は、まるで私の心が読めるみたいだ。
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