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『おい妃奈! 何で連絡しねぇんだよ!!』
「あ、ごめんね……突然終わり時間が伸びちゃって……」
『は!? 言い訳かよ、まじふざけんな! ちょっと連絡するくらいできんだろうが!』
「いや、忙しくてスマホ触る時間も無か……」
『ふざけんなよ! おい妃奈、今すぐバイトやめろ』
電話に出た途端声を荒らげる彼氏。
今まで、いつも一緒に居たがったり私の予定を把握したがるから、独占欲強めなのかな、とは思っていたけど、こんな風に責められるのは初めてでどうしたら良いか分からず困惑する。
しかも、『バイトを辞めろ』なんて言うもんだから、「そんな突然無理だよ……」と言い返してしまい、余計に油を注いでしまった。
『は!? 俺に逆らうのか!? おい、妃奈! お前何様のつもりだよ!!』
「だ、だって、今すぐ辞めるなんてそんな……」
『約束破ったのはそっちだろ!? おい! 聞いてんのか!!』
あまりの怒り様と理不尽さに、恐怖で言葉に詰まってしまい返事ができないでいると、彼氏は『俺が辞めさせるからそこで待ってろ』と言い、一方的に電話を切ってしまった。
ツー、ツー、と響く電子音。
あまりにも突然切られたから頭が追いつかなくて、耳からスマホを離せないでいると、後ろから「あの……」と、肩を叩かれた。
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