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〈お待たせしました! 皆さん! もう安心です!〉
総理大臣は同乗する者達に「今、何か言ったか?」と問いかけるが、皆は首を振り梨の礫。
むしろ「総理? 何か言いましたか?」と言うぐらいである。
すると、ヘリコプターが揺れた。地震のような揺れである。空を飛んでいるのに地震が起こるなぞありえない。
総理大臣がそう思いながら窓の外を見ると、信じられないものをみた。
恐竜の体高と同程度の大きさの光り輝く巨人が立っていたのである。
衝撃の光景を前に総理大臣始め、閣僚は言葉を失ってしまう。
光り輝く巨人は特撮ヒーローが行うようなポージングを行った。
それと同時に再び総理大臣達の頭の中に声が響く。
〈ヘラクレス座28惑星人、無敵マン! ただいま参上!〉
「む、無敵マンだと…… 巫山戯ているのかね……?」と、総理大臣は思わずに呟く。無敵マンは空を飛ぶヘリコプターを見上げた。すると、再び頭の中に声が響いてきた。
〈巫山戯てなどいない! 私はこの宇宙最強の男! 無敵マン! 今は君達の心に精神会話で話しかけている。これだから「言語」などという時代遅れの会話をしている辺境の星は困る……〉
どうやら、ヘラクレス座28惑星人とやらは「精神会話」を使い、心と心で会話をしているようだ。口で発声して、耳でそれを聞くと言う原始的なやりとりしか出来ない辺境の地球人でスイマセンでしたね! 総理大臣は不服そうに無敵マンに問いかけた。
「その無敵マンはこの地球に何をしにきたのでしょうか?」
〈私は全宇宙を飛び回り、星々の平和を守っているのだ! こいつは6600万年前のこの星の原生生物の生き残りだ! 只今より討伐する!〉
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