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〈よし! トドメだ! 無敵剣!〉
その瞬間、無より光り輝く両刃剣が現れた。無敵マンはそれをしっかりと握りしめ、上段の構えを行う。
〈無敵剣! 真っ向唐竹割りィィィィ!〉
無敵マンは恐竜に向かって斬りかかり、通り過ぎた。その一瞬で乾坤一擲たる斬撃が行われ、恐竜は縦から真っ二つに両断された。
恐竜の残骸は光の粒子となって雪のように瓦礫の街に降り注ぐと共に、その姿を消していくのであった。
〈討伐完了!〉
皆の頭の中に無敵マンの声が響くと同時に、無敵マンはその姿を消していた。
両断された恐竜は、ピクリとも動かない。
その光景を窓から見ていた総理大臣は文部大臣に尋ねた。
「状況終了…… 恐竜は無敵マンたるヒーローに倒されたということでいいのかね?」
「そう、なりますね」
こうして、日本を震撼させた恐竜は討伐されたのだった……
恐竜討伐後、間もなくに青空のもと総理大臣の緊急会見が行われた。
マスコミ、怪獣に被害を受けた者達が尋ねる質問は「怪獣を討伐した無敵マンたるもの正体」と「恐竜による被害補償の有無」の二つである。
それぞれ、答えは……
「ただいま、調査中です」
「ただいま、今回の事態に関しては対応を検討中です」
と、しか言いようがない。
おわり
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