ただいまの意味

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 数時間後、関東一円の駐屯地より出動可能な戦車・戦闘機・戦闘ヘリが恐竜の前に陣取った。 宛ら、怪獣映画のワンシーンそのもの。しかし、これは紛うことなき現実。 チクシュルーブ作戦に参加する自衛隊も「最初で最後の実戦の相手が恐竜(怪獣)とはな」と、困惑するばかりである。  総員、目標を肉眼で確認をしたところで防衛大臣により戦車・戦闘機・戦闘ヘリに搭載された兵器の使用解除がされる。 「日本国の運命はこの一戦に決まる! チクシュルーブ作戦! 開始!」 防衛大臣の号令により、攻撃が始まった。 まずは戦闘ヘリ数台による機関銃の銃撃の雨が恐竜の全身へと降り注ぐ。弾丸が当たるも、恐竜の皮膚に当たった瞬間に カンっ! と、金属音を放ちながら弾かれてしまう。特に、足や胸と言った分厚い箇所に撃った時は音が鈍くなる。 戦闘ヘリのパイロットは狙いを細い首へと切り替え、総員に開放通信(オープンチャンネル)上に向かって叫んだ。 「首だ! 首を狙え! 細い首であれば銃撃も通る筈だ!」 確かに首は周りに比べて細い、首に銃撃を重ねて、撃ち飛ばして刎ねるのみ! 戦闘ヘリの銃撃が首へと集中する。首が瞬く間に爆煙に包まれていく。 しかし、首がボトリと落ちることはない。爆煙が霧消し、見えたその首は無傷だった。 それを作戦本部で確認した文部科学大臣は、防衛大臣に自らの見解を伝える。
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