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お風呂掃除から始めて、帰ってくる時間に合わせてお風呂を湧かせて、ご飯を作り始めていた時だった。
バタバタと動き回って、戸の閉まりが弱かったのか、軽く物置になってる部屋が空いている。
その部屋の隙間を見て、私は好奇心に駆られた。
見てはいけないと言われてるけど、この場合不可抗力?
ゆっくりとした足取りで部屋に近付く。
バクバクと鳴る心臓を落ち着かせて、部屋のドアノブに触れようとした。
その時、玄関が開く音がする。
律が、帰ってきた。
玄関から足音が聞こえて、そちらに目を向けるとドアが開いて、驚いた顔をしている律がこちらを見ていた。
「…見た?」
その問いかけに首を横に振る。
何でいるの?とかじゃなくて、見た?という質問。
私がここにいる事よりも、私がこの部屋を見たのかどうかが気になっている様子だった。
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