2 真実 

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他にどんな写真があるのか見てみたかったけど、さすがにルール違反だよね、スマホの中身を見るのは。と思い留まり、ポケットに入れた。 それよりも律スマホないと困るよね。 どうやって連絡取ろうか悩んでカフェオレを自販機で購入ボタンを押した時だった。 後ろから抱き締められて、思わず身体が固まる。 「遥香」 聞き間違えるはずもない、律の声に少しだけ顔を上げる。 「律!ちょうど良かった、スマホ落としたでしょ!」 「あれ、何で遥香が持ってるの?ちょうど探してたら遥香が居たから、思わず抱き着いちゃった」 なんて可愛らしく言っている。 「恥ずかしかったんだから!ロック画面!」 と言いながらスマホを返すと笑っている。 「可愛いでしょ。俺のお気に入り。」 「他にも撮ってるの?」 「もちろん、これさえあれば何時でも遥香に会える」 なんて言って、スマホを指紋認証で開いた。 ギャラリーを開くと、一緒に撮った写真や隠し撮りされたものもあった。 「撮られたの気付かないもんなんだね。」 そう言いながら律がスクロールしているのを見ていると、一緒に行った記憶の無い場所での写真もあった。 え? 見ようとすると、スマホの画面を閉じられてしまった。 「あまり見られると、恥ずかしいからダメ」 一瞬でちゃんと確認できなかった。
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