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律は、少し身体を離すと、私の身体を壁にがんっと押し付けた。
「いたっ…」
痛みで顔を歪めるも、律は冷たく見下ろしてくるだけ。
「遥香は面接の日が初めてだと思ってるけど、俺らは高校の時出会ってるんだよ。名前、変わってて分からなかった?」
そう言われて、必死に思い出そうとする。
高校時代、律って名前の男の子は確かにいた。
でも、名前も違えば容姿も全く違う。
「…本庄くん?」
「太ってたし、眼鏡して根暗だったし分かんないよね。俺は君に近付きたくてずっと努力してたけど、君は変わった俺しか見てくれなかった。」
本庄 律。
確かに目立たなくて、影でいつもクラスの事をしてくれてる優しい人だった。
いつも誰かに雑用を押し付けられて、していたけど。
そして図書室が私達のお気に入りの場所で、放課後そこでよく2人で話した。
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