40人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと⋯⋯これはどういう状況?」
入り口のほうから聞こえてきた声に振り向くと、室内を見渡してそう言う修二。
「⋯⋯⋯」
「⋯⋯あの」
無言でタケを見る泉くん。彼に威圧されたのか、タケはゆっくりと後ずさった。
「お前ら遅いんだよ」
ため息を吐く時雨に修二が苦笑いを浮かべる。
「とりあえず座ったら?」
ソファの前で立ったままの私達を修二が不思議そうな顔で見る。
「私達ちょうど帰るところだったの」
私の言葉に、怒りの収まっていない様子のタケが目を見開く。
その視線を無視して沙羅に目を向けるとコクンと頷く。
「では、また」
帰り際、ほんの一瞬、沙羅と彼の視線が交わったように感じたのは、気のせいかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!