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悶々、鬱々とした気持ちを抱えながらも投稿を続けていたある日、私は感想サービスというものを知った。
あなたの作品を読んで感想を書きます! 褒めます! そんなサービスを出品している人がいることに驚きつつも、私はそのサービスを利用してみることにした。
千円札一枚で私の欲しかったものが手に入るのなら安いものだ。
感想サービスを出品している人の中で、一番実績の多かった人に依頼をして自分の作品ページのリンクを送る。
変わらず作品のブックマーク数は「4件」のままではあったが、しっかりと閲覧数は微増し、数日後に私の作品に対する初めての感想が届いた。
キャラクターの思いに胸を打たれた。
このシーンが感動的だった。
そんな内容が詳細に書かれた感想に、私の方が心を揺さぶられる。なんだか目の奥がじわりと熱くなった。
言いたいことや面白いと思って力を入れたところが、この人にはちゃんと伝わっている。
しっかりと読み込んでくれたと分かるその文章が嬉しくて、私はそれから定期的に感想サービスを使うようになった。
金額以上だと思える感想をくれる人もいれば、まあこんなものかなという感想を書く人もいた。
それでも、読んで反応をもらえるだけで私はじゅうぶんに嬉しかったし、依頼して書いてもらった感想だと分かっていてもモチベーションに繋がった。
コメントがつかないと嘆いている人は、私と同じように感想サービスを利用すればいいのに。もしかしたらあまり知られていないのだろうかと、そんなことを思った私は、ふとSNSで感想サービスについて検索してみた。
その結果見つけたのが、これだ。
“こんなの使うとか虚しくないのかな”
“本物の読者じゃない人の感想とか意味ないと思う”
“全部お世辞で無理やり褒められても普通は嬉しくないよね”
検索して出てきたのはそんな投稿ばかりで、なんだか一気に自分が恥ずかしくなった。
もちろん、肯定的な投稿だってたくさんある。
しかし私がつい読んでしまうのは、否定的な言葉ばかりだった。スクロールする手が止まらず、嫌な言葉ばかりを拾ってしまう。
“そこまでしないと誰にも読んでもらえないツマラン話なんだろ”
最後にそんな言葉を見てしまい、瞬間ポキっと折れた気がした。
心が。心を支えていたような見えない何かが、ポキっと音を立てて真ん中から折れたような気がしたのだ。
ああ、きっとその通りなのだろう。
お金をもらわないと読む価値がないほどに、つまらないものなのだ、私の書いたものは。
人からの反応が欲しいと必死に集めてきたけれど、お金を払ってまで集めるのはきっとおかしいのだろう。
普通は、自然とその人のものとに届くものなのだ。わざわざ依頼するようなものではない。
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