Oratio Dominica

D.1

メキシコ・チワワ、バー「W・rally」。

男はカランカランと扉をあける。

ん？ いらっしゃい。何にするんだ？

バーテンダーは男に話しかける。

マルガリータを。

すると、バーテンダーはカクテルを作り、男に渡した。

君見たことある顔だな？ どこか会ったことは？

いや無いが？

そうか勘違いか。何用で？

男は写真を見せた。

フアン・ジェイムズ、ここらで最近動きがある売人だ。探しているんだ、来てないか？

なぜ探してる？ それにここが情報屋だと勘違いしてないか？

ここは情報の場だと聞いたが？

まったく。それなら合言葉を言え。知っているのであれば信用しよう。

合言葉はダブル・ラリー。ここはふたつの店、ふたつのラリー。

いいだろう。奥へいけ。

男は奥にいく。扉をあけると、男が二人いた。

お前合言葉を言ったな？

1人の男性が言う。

よく来たな！ おれはラリー・ジャンセン、もう1人はラリー・アクトンだ。お前は？

レミーだ。

ふーんレミーね、本名？

レミーと名乗る男はこの質問には何も答えなった。何を探しに来たのか、ラリー達は理解が出来なかった。レミーは常に帽子を被っていた。レミー・ジェイムズに何が強い思い入れがあるのか、深く聞いてきた。眼には苛立ちがある。