必然 タワマン最上階

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「……創真くん、このタワマン、分譲してたんだ」 高品質スーツ生地ブランドで仕立てたオーダーメードスーツを着た創真くんが薬局コーナーで栄養ドリンクを大人買いしていた。 「ユン○ルスター買い占めてる。どんな生活を送ってるんだか……」  疲れがみえる横顔。 相変わらず多忙な日々を送ってるようだった。 「真凛、また会ったな」 気づかれないように近づかなかったのに気づかれてしまった。 「真凛もこのマンションに住んでたんだ」 「……」 抽選販売だったこのタワーマンション。 創真くんが分譲するとは思っていなかった。 「相当買い込んだんだな。部屋まで持って行こうか?」 「…大丈夫」 お米二キログラムに1リットルの醤油に調理酒に味醂、米油とオリーブオイルを購入したからかなり重い。 それだけでなく、食パンにヨーグルト、鶏胸肉と合挽ミンチ、豚こまにキャベツ、玉ねぎ、にんじん、もやしも買ったからエコバッグ四つ分になってしまった。 「エレベーターホールまで持つよ」 私の手からエコバッグを奪い取ると、創真くんは颯爽とエレベーターホールに向かう。 低層、中層、高層で乗るエレベーターが違う。 カードキーの色で判別できるようになっていて、ポケットからブラックのカードキーを取り出した事から高層階に創真くんが住んでいるとわかりセキュリティから私の住む階に入れないとわかりホッとする。 「またな」 「……ありがとう」 低層階のエレベーターまでエスコートされ、創真くんに住んでいる部屋を知られてると悟る。
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