君が居たから。

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「あ、今日は近藤先生が来る日でしょ?お母さん、出かけてくる〜」 そう言い母ちゃんは上着を着て玄関へ向かった。 「え、ちょっと待って!嫌だよ、アイツと二人きりになるの!」 母ちゃんの後を追い、俺も玄関へ向かう。 月1で訪問に来る担任。 毎回母ちゃんが玄関先で追い払…いや、丁寧に帰してくれていたから会ってなかったけれど。 メールはしていたが、会うのは数ヶ月ぶりだ。 嫌だ。会いたくねぇ。 「私だって嫌よ〜、自分の事は自分で伝えなきゃ。あ、でも…」 「何?」 「先生が来たからって無理に学校に行く事はないからね。私はいつだって翔の味方よ?」 「ありがとう、母ちゃん。分かったよ」
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