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「日向くん、見つかったんだね。よかったねっていうのは、ちょっと違う気がするけど……。気を悪くしないでね。とにかく無事で安心した」
言葉を慎重に選びながら、友里はそう言った。
友里の右手に握られたフォークはパンケーキになかなか着地せずに宙を舞っている。
「怪我とかは一切してなかったみたい。あと、……暴行とかもなかったって。ただ……」
そこまで言い掛けて、言葉に詰まる。
「やっぱり、まだ記憶が?」
コーヒーを一口飲んだ菜穂が聞いてきた。
私はこくりと頷いた。
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