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再会
「僕の名前は、ガニュメデスだよ」
はぁ?
8年振りに再会した日向は、病室のベッドの上で少し体を起こしたまま、笑顔でそう名乗った。
「日向……」
背が伸びた。
布団を被っていても明らかだった。
だけど8年前の、6歳の頃の面影を残したまま。
堪えていた涙が、勢いよく頬を伝う。
「僕の名前はガニュメデスだよ」
はぁ?
ベッドの上で少し体を起こしたままの日向はそう繰り返した。
「日向、覚えてないの?ガニュメデスって何?……お母さんのことは覚えてる?」
日向が見つかったと連絡を受けた時の喜びとは裏腹に、予想外の反応に戸惑いを隠しきれなかった。
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