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「そんなイベントがあるんだ〜。水沢くんも出るの?」
「う、うん。出場するよ」
水沢くんはどこか緊張した様子で話す。やっぱり、大勢の人の前で話すなんてすごく緊張しちゃうよね……。そんな水沢くんをすごいと思うと同時に、水沢くんがどんな小説を紹介するんだろうと気になってきた。
「水沢くん!どんな小説を紹介するの?」
「えっ!?」
私の問いかけに水沢くんは顔を真っ赤にし始めた。目はあちこちに忙しなく動き、手は微かに震えている。明らかに普通じゃない。
「ご、ごめんね。急にこんなこと言っても困るよね」
「いや、そんなことないよ!ただ紹介する本が……」
そう言って水沢くんは鞄の中から一冊の本を出す。タイトルは『放課後の図書室で』。図書室で高校生の男女が楽しそうにしているイラストが描かれている。どうやら恋愛小説のようだ。
「この本が水沢くんの運命の一冊?」
「うん。最近本屋で見かけて、読んでみたらすごく心に刺さったんだ」
何だか意外だった。水沢くんは恋愛小説をあまり読まない。この恋愛小説が運命の一冊なんて、不思議な気持ちになった。
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