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「まんま俺の移したってさ、意味ねーよ?俺、教えてやれるけど。まぁ、竜がやる気あればの話だけどね」
「やる気?んなもん、あるわけねぇだろぉぉおお!!」
数学が大嫌いな竜は、そう言って大きな声を出す。
「あ〜、数学がこの世にあるとか、ここは、地獄かぁぁあ!!」
竜は馬鹿みたいに叫び、数学から逃げるように、教室を飛び出して行ってしまった。
「ハァ。数学とか簡単なのに。教科書見れば分かんのに」
ため息をひとつして、そう呟くと俺は、教室を出て、自動販売機へと向かった。
お目当ては、コンポタ。
やっぱり寒い日は、コンポタに限る。
「あぁ〜あったか」
コンポタの缶を、両手で包み込むように持つと、徐々に冷えた手は暖かくなっていく。
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