2.かくれんぼ

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「まんま俺の移したってさ、意味ねーよ?俺、教えてやれるけど。まぁ、竜がやる気あればの話だけどね」 「やる気?んなもん、あるわけねぇだろぉぉおお!!」 数学が大嫌いな竜は、そう言って大きな声を出す。 「あ〜、数学がこの世にあるとか、ここは、地獄かぁぁあ!!」 竜は馬鹿みたいに叫び、数学から逃げるように、教室を飛び出して行ってしまった。 「ハァ。数学とか簡単なのに。教科書見れば分かんのに」 ため息をひとつして、そう呟くと俺は、教室を出て、自動販売機へと向かった。 お目当ては、コンポタ。 やっぱり寒い日は、コンポタに限る。 「あぁ〜あったか」 コンポタの缶を、両手で包み込むように持つと、徐々に冷えた手は暖かくなっていく。
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