俺だけの特等席【完】

3.俺の翼

いつもなら、学校帰り、ゲームセンターや、ハンバーガーショップに行ったりするけど、今日は一段と冷え込み寒いせいで、俺は珍しく、真っ直ぐ家に帰る事にした。

勿論、翼を道連れに。
(俺が帰るって言ったら、翼も"じゃあ俺も〜"って言ったんだけどね)

家に帰ると俺は、そのまま真っ直ぐシャワーを浴びた。
そして、頭にタオルをかけながら、シャワーから上がり、自分の部屋へ行くと、翼がベッドに寝転がりながら、漫画を読んでいた。

俺と翼は小さい頃から、兄弟同然のように育って来たからか、お互いの家にはいつも行き来していて、ここは俺の家だけど、翼の第2の家でもあるような、そんな感じになっている。

だから、本当に、一緒に居て楽だし、居心地が良い。

「希跡。ちゃんと髪、乾せよ〜？風邪ひいちゃうからさ」

俺が部屋に入ると、翼は漫画から目を離し、俺を見ると、そう言った。