1.朝の日課

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1.朝の日課

高校2年の冬、12月。 「…ん」 布団を、頭まで被りながら寝ていた。 そっと、布団から少し、顔を出してみると、当然、冷たい空気が肌に当たり、"あ、無理"と思った。 何より1番、寒いのが苦手な俺は、冬の朝が嫌いだ。 暖かい布団の中で、ずっとぬくぬくしていたい。 でも、実際はそうはいかない。 何故って? だって、幼馴染(おさななじみ)黒宮翼(くろみやつばさ)を毎朝、起こしに行くという義務…いや、役割(?)が、俺、西田希跡(にしだきせき)にはあるから。 寒いのは嫌い。 でも、大好きな翼を、寒い中起こしに行くのは、嫌いじゃ無い。 何故って? だって、俺が起こしに行けば、朝目が覚めて、翼が最初に見るのは、"俺"になるしょ? それが、嬉しいから。 翼の"おはよう"を、1番最初に聴くのは、俺。 そんなの、当然じゃん? 「…さて、起こしに行きますか…」 重たい体を、なんとかベッドから起こし、ベランダの窓を開けた。
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