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「…翼ってさ」
「ん〜？」
「優ちゃんの髪、乾かしてあげたりすんの？」
「小さい頃はしてたけど、今はしてないかな。なんで〜？」
「別に。なんとなく」
ちょっとだけ、思ったんだ。
いや、ちょっとだけじゃない。
多分、かなり…。
優ちゃん相手なら、嫉妬なんてしないけど、でも、もし翼が、他の誰かの髪に触れる、なんて事があったら…そう思うと、正直、気が気じゃ無いっていうか。
まぁ、翼は、美容師になりたい人じゃないから、本当良かった。
もし、美容師になりたい人だったらきっと、俺は、"美容師になんのやめて"なんて言えず、だけど、内心、応援する気にもなれないだろうと思ったから。
俺は、我儘だから…。
翼は俺ので、俺だけのだから、他の女の髪なんて、絶対触って欲しく無い。
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