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「…翼は、俺のだし。俺の気持ちは、ずっと変わんないし」
ふと、心の声が口から溢れた。
「俺も、ずっと変わんないよ。俺は、希跡のだし、希跡だって、俺のでしょ?」
「当たり前じゃん。つか、翼が俺のじゃなくなるとか、考えただけで気が狂うわ。だから…」
俺はそっと、翼の腕を離すと、翼の方を向いて、翼の腕を掴んだ。
「"もしも"なんて事あったら俺、マジで死ぬから」
これは、脅しでは無い。
死ぬ勇気なんて無いけど、俺は本気だ。
"もしも"翼が、俺じゃ無い、他の誰かを好きになったり、俺を離すような事でもあったら…。
「無いよ。無い。絶対無いから、大丈夫。だから、希跡は死ぬ必要無いよ。ねっ?」
「ん。信じてるよ。ただ、言いたかっただけ」
そう言うと俺は、そっと、翼の背中に両腕を回して、ぎゅっとした。
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