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「うぅ、寒っ」
外から入る冷たい空気と風が、一気に俺の身体を冷やして行く。
ブルッと寒さに震えるが、俺はいつものように、ベランダから、翼の部屋のベランダへと移動する為、橋のようにベランダにかけられている鉄製の板を渡る。
"普通"、あり得ないって思うだろうけど、俺にとっては、これが普通。
俺のベランダから、翼の部屋のベランダへ行く為の道として、翼の父さんが、鉄製の板で橋を作ってくれたんだ。
万が一落ちても、下には、俺んちの車庫があるから、平気だし。
俺は毎朝、この橋を渡って翼の部屋へ行き、なかなか起きない翼を、起こしに行ってる、というわけ。
それは、俺の朝の日課。
「翼、朝。寒いから、早く起きろー」
翼の部屋に入り、翼を呼んでみる。
起こしてみるけど、当然、いつものように、一度起こしたくらいでは、翼は起きない。
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