1.朝の日課

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「うぅ、寒っ」 外から入る冷たい空気と風が、一気に俺の身体を冷やして行く。 ブルッと寒さに震えるが、俺はいつものように、ベランダから、翼の部屋のベランダへと移動する為、橋のようにベランダにかけられている鉄製の板を渡る。 "普通"、あり得ないって思うだろうけど、俺にとっては、これが普通。 俺のベランダから、翼の部屋のベランダへ行く為の道として、翼の父さんが、鉄製の板で橋を作ってくれたんだ。 万が一落ちても、下には、俺んちの車庫があるから、平気だし。 俺は毎朝、この橋を渡って翼の部屋へ行き、なかなか起きない翼を、起こしに行ってる、というわけ。 それは、俺の朝の日課。 「翼、朝。寒いから、早く起きろー」 翼の部屋に入り、翼を呼んでみる。 起こしてみるけど、当然、いつものように、一度起こしたくらいでは、翼は起きない。
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