4.誕生日と誓い

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俺は、ねーちゃんの買って来た、フルーツタルトを頬張る。 「こっちもうまっ。フルーツタルトとか、滅多に食べないからいいかも」 俺の言葉に、ねーちゃんは嬉しそうに 「でしょ〜?だから、久しぶりに、フルーツタルトにしてみたの」 と言って、微笑んだ。 「いいね」 俺はそう言うと、フルーツタルトに乗ってる、ブドウを手に取ると、口の中へと放り込んだ。 そして、口の中で皮を外すと、皿の端っこの方に()けといた。 すると、翼が当然の事のように、俺の皿から、ブドウの皮を取ると、そのまま口の中へ入れて、食べてしまった。 「…翼。ブドウって、皮、食べないよ?」 俺の言葉に、翼は不思議そうな顔をする。 「え?俺、普通に食べるんだけど」 「え…?」 ブドウの皮は、絶対食べない俺にとっては、翼の行動が不思議だった。 だからふと、優ちゃんの顔を見た。
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