4.誕生日と誓い

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「希跡。指輪、貸して?」 「ん?はい」 指輪を翼に渡すと、その指輪を、翼が俺の右手の薬指にはめた。 そして、言うんだ。 そう、俺の()を真っ直ぐ見て。 「希跡。俺、希跡に誓うよ。一生、永遠に、俺は、希跡だけの物だって。ずっと、一生一緒に居る。何があっても、絶対離さないから。だから、ずっと、俺の希跡で居てくれる?」 これは…やばい。 やばいだろ、どう考えても…。 「希跡…?泣い、てる…?」 翼の戸惑う声に、ハッとしたんだ。 俺の視界は滲んでいて、微かに、涙が頬を伝っていた。 俺、泣いてるんだ。 俺は慌てて、目を擦るようにして、両手で涙を拭う。 だけど、どうしてだろう…? 涙は、ポロポロ流れて、止まらないんだ。 翼はきっと、気付いていた。 そりゃあそうだ。 何年一緒に居ると思ってんだ、って話だ。
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