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「希跡。指輪、貸して?」
「ん?はい」
指輪を翼に渡すと、その指輪を、翼が俺の右手の薬指にはめた。
そして、言うんだ。
そう、俺の瞳を真っ直ぐ見て。
「希跡。俺、希跡に誓うよ。一生、永遠に、俺は、希跡だけの物だって。ずっと、一生一緒に居る。何があっても、絶対離さないから。だから、ずっと、俺の希跡で居てくれる?」
これは…やばい。
やばいだろ、どう考えても…。
「希跡…?泣い、てる…?」
翼の戸惑う声に、ハッとしたんだ。
俺の視界は滲んでいて、微かに、涙が頬を伝っていた。
俺、泣いてるんだ。
俺は慌てて、目を擦るようにして、両手で涙を拭う。
だけど、どうしてだろう…?
涙は、ポロポロ流れて、止まらないんだ。
翼はきっと、気付いていた。
そりゃあそうだ。
何年一緒に居ると思ってんだ、って話だ。
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