1.朝の日課

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「俺、着替えて来る!翼、お前も急げよ」 俺はそう言うと、翼の部屋のベランダから、自分の部屋へ戻ろうとした。 その時、翼が俺の背中に向かって名前を呼ぶ。 「希跡」 「何?」 寝起きが悪く、しかも、折角早起きしたのに、二度寝してしまった事もあって、俺は少し不機嫌気味に振り返る。 そんな俺を前に、翼は満面の笑みを俺に向けると、 「おはよう。起こしてくれてありがと!」 と、そう言った。 寝起きの悪い俺だけど、こんな、翼の、太陽みたいな笑顔なんか見てしまったら、機嫌の悪さなんか、何処かへ吹き飛んでしまうって。 「…はぁ?そんなん、日課だし。つか、早く着替えろ」 俺はなんだか照れ臭くなって、ふいっと翼から視線を逸らすと、そのまま自分の部屋へと戻った。
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