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急いで制服に着替え、コートを羽織り、スクールバッグを持って家を出た。
そして、翼の家の玄関にお邪魔をして、翼を待つ。
「あ、優ちゃん、もう行くの?」
玄関にやって来た優ちゃんに、俺はそう聞いた。
「うん。今日ね、日直なんだ」
「そっか。気を付けて」
「ありがとう!希跡おにーちゃん。行って来ます!」
優ちゃんは、笑顔で手を振ると、家を後にした。
「希跡君、本当ごめんね。うちの子ったら、いっつも、起きるの遅くて…。折角、毎日、希跡君が起こしに来てくれてるのに」
翼の母さんが玄関にやって来ると、申し訳なさそうな顔をして、俺にそう言った。
「いや、今日は俺も悪かったから。二度寝しちゃったし」
「ううん。うちの翼が、ちゃんと起きないからよ。翼〜!早くしなさい。希跡君待たせないの」
翼の母さんの声で、翼が玄関に顔を出して来た。
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