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「今、シャワーから出たって。めっちゃ急いで、10分で上がったんだぜ?凄くね?な、希跡♪」
そう言って、白い歯を見せてニカッと笑う翼は、上半身裸で、きちんとタオルで拭いていないのだろう、髪の毛先から滴る雫が、首から胸へと流れた。
「…凄くねーし。早く着替えろ、馬鹿」
俺はそう言うって、翼から視線を逸らす。
「ほら、翼。早く着替えなさい。お母さん、送ってあげるから」
「マジ?助かる!希跡、ちょっと待っててね。ドライヤーして来る!」
「はいはい、行ってら」
俺は、翼に軽く手を振る。
「あ、希跡君。寒いでしょう?上がってちょうだい?」
翼の母さんにそう言われたので、俺はリビングに上がった。
スクールバッグをソファーに置き、腰を下ろす。
「暖かいお茶でもどうぞ」
翼の母さんが、暖かいお茶を差し出してくれて、俺はそれを喉に流し込んだ。
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