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――彼はふと気づく。
この本の残りのページはあとわずか。見れば2ページしか残っていない。
もしもこの本のページが尽きたとき、自分はいったいどうなるのか。
彼は疑問に思う。
しかし新しい本を見つけるのは不可能だと、頭のどこかで分かっていた。
ページが尽きたとき、どうやって運命を知ればいいのかという不安が彼を支配する。
本に助けを求める。
教えてくれ、教えてくれ、と。
ならば、と本は続きを綴った。
このページが尽きたとき、横花白斗は――
バンッ!
続きを読んでしまった僕はあまりにバカげた話だと思った。
それなのに苛立ちが僕を支配し、その感情のまま本を閉じた。
ありえない。ありえない。そんなことありえるはずがない。
だって今まで僕を助けてくれたじゃないか。
この本が僕を裏切るはずはない。
僕の運命を決めるのは、僕であるべきだ。
「そうだよ。本なんかに運命を決められてたまるか!」
僕は本を捨てるべく家を飛び出した。
こんな本を持っているからいけないんだ。
捨てよう、今すぐ捨てよう。
こいつが先に僕を裏切ったんだ。
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