第16話 パーティーと皇宮

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第16話 パーティーと皇宮

「あ、一応言っとくけど、私は皇太子だよ」 じゃなーい! 予想はしてたものの、やっぱり大物すぎた…。だからと言って、パーティーを断ろうとするとなんだかすごい形相をして圧をかけてきたし。 というわけで参加することになった。 「アレクシス・ドット・アスレリカ皇太子殿下並びにセシリア・ラファエル公爵令嬢の御成です!」 まあ、もともと私がくることは伝えられていなかったので、皆驚いているが、私は一応「主賓」なので笑みだけ返しておく。 だが、私は主賓。だからこそ、挨拶をしろと言われたのだが…いきなりすぎて。 殿下、もっと早くに言ってください。 「帝国の貴族の皆様、はじめまして。コーネリア国のセシリア・ラファエルと申しますーー」 とりあえずありがとうとか適当に伝えておいて私は挨拶を終えた。 「急だったけど、流石だね」 「…殿下。いきなりは本当に意地悪です」 「ごめん」 相手は皇太子なので、反省を求めることができないーー悔しい。 そのあと、私は様々な人といろんな話をした。 楽しかった。 けど、このあとの皇太子殿下のお言葉がーー。 「なんなら、皇宮に住んじゃう?」 気軽に言わないでー! 「はじめまして、セシリア様。新しく専属となりました、リカとミカです」 私は「主賓」なので、客室を与えられた。 妃教育のためにコーネリアの王城に通っていたからわかる。この客室、トップクラスだ。さすが帝国だなあと私は感心した。 「あ、セシリア。庭園を案内するよ」 数々の国の中でもトップクラスと言われるこの「ロイヤルガーデン」。薔薇が咲き誇り、希少種の植物まであるという。 そんな「ロイヤルガーデン」に入ることは出世を意味し、貴族の憧れでもあるのだが…なぜか、私は普通に入れてしまった。なんだかごめんなさい…。 「わ、すごいですね!」 私がはしゃぎすぎたのか、皇太子はふっと笑った。 「殿下…。笑わないでくださいっ」 「ごめん。それと、呼び方「殿下」は嫌だな」 「では…アレクシス、様?」 「うん、それがいい」 そんな簡単に許されるの?? なぜだか分からないけど、とりあえず私はこの皇宮ライフを満喫することにした。 「んー!この紅茶、美味しいわ」 「それは私が淹れましたものでございます」 「ミカ、すごいわ!」 「まあ!このマカロン、美味しいわ」 「それは私の手作りです。喜んでいただけてよかったです」 「リカ!すごいわ」 専属となったリカとミカは双子らしい。そして、二人とも料理がとっても上手で、何度感動させられたことか…! そんなある日、ミカが言った。 「殿下が、レストランに挨拶してきて良いと仰せです」
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