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ほかのマヒの一族を加護している四大精霊は一族の長が死ぬと同時に生まれ変わる。そして新たな長が加護を受けることになるが、代償と呼ばれるものは生まれ変わる分には存在しないとされる。なぜならすでに先代が代償を支払っているから。
――だが、”時”を司るミヒャエルは例外だ。
「そう、か。大精霊……」
その言葉はイヤというほど耳にしている。聖女ジゼルフィアが生まれつき与えられていた祝福の名前、それこそが”大精霊の祝福”だったからだ。
「ミヒャエルはデ・フロート家の繁栄のため若い女性の寿命を削りながら加護を与え、その一方で気まぐれに祝福を与えていたというわけか」
「まるで隣国の”取引”のようですね」
「だが、俺と結婚したことでジゼの寿命はこれ以上削られることはないはずだ」
「はい。聖女ジゼルフィアは兄上と結婚したことでデ・フロート家の枷から外れました。ですが、彼女自身への祝福は続いているのでは?」
「その祝福とはなんだ?」
王家に忠誠を誓わず、ハーヴィックの”時”を見守る大精霊ミヒャエル。
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