02. 第二王子の興味関心

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 騎士団長として国の警備を担当していたシュールトは第一王子と聖女の結婚式には参列せず、聖堂の入り口からその様子を眺めるだけだった。もともと妾腹の息子として遠ざけられていたシュールトは特に何も感じなかったが、団員たちからは「こんなときまで仕事をなさらなくても」と呆れられてしまった。中途半端な王族である自分が正装で参列したところで気まずくなるだけだ。それに、第一王子が持つ魔力は魔法を持たない人間だけでなく魔力量が少ない人間にも魔法酔いの症状を与えるほどに強大なのだ。それゆえ結婚式も魔力をつかえる王族や聖女の関係者のごく一部だけが聖堂に集い、彼らの証人となったのである。  シュールトにも参列許可は降りていたが一番近い場所で魔力にあてらた人間が出た場合の対応も必要だろうからとあえて聖堂前の警備を申し出たのだ。  噂の聖女ジゼルフィアの花嫁姿を間近で拝めなかったことだけが残念だったが、遠目から見ても兄と並んで見劣りしないオーラを放っていた。彼女なら強大な魔力を持つリシャルトを癒し、ともに国を守護してくれるのではないかと思えるほどに。 「まあいいさ。この先お会いする機会もあるだろう」
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