そういう日々

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そういう日々

「おう。ただいま。帰ったぞ」  とでも言うように、うちの猫様は居間に入っておいでになりました。  そして私の膝にどかりとお座りになられ、お汚れになられただろうお身体をペロペロなさいます。  しかし触ってはなりません。  お撫でしようものなら、私の手をホールドしてケリケリつきでお噛みあそばすから。  そう、我が家の猫様は、俗に言う凶暴猫様なのでございます。  一体このお方は外で何をなさってお過ごしなのか。  事故や怪我が怖いからと、家猫にして差し上げたのですが、知らぬ間にすっかり外猫におなりあそばしている。  しかも家にお帰りになるたび、凶暴具合が増しておいでだ。  怖い⋯⋯。怖い⋯⋯。  猫様の帰宅に怯える私は、すでに奴隷扱いなのではないだろうか。
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