02 最初の恋 ※

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 あっんっ  うん……っあんっいやっんっ……  私は両手で胸を抱えて隠して周りを見渡したが、部屋の扉は閉められていて、やはり逃げ場はない。 「反応は悪くない」 「うむ、非常にいいと思う」  男性陣がうなずく。公爵も伯爵も、マルキュール博士を促した。 「これ以上はお許しください……」  私は懇願した。  しかし、少しの間だけ、男性たちは悶える私の体を撫で回すことを博士に続けさせて、私は身悶えるしかない。  ほんの少しの間だ。  永遠にも感じた。  私が悪夢として繰り返し見ることになる瞬間だ。アンドレア皇太子の愛人を選ぶための試験だったのだ。  ただ、肝心な部分には指1本博士も触れなかった。触り方は優しかった。  博士はよくわきまえてもいた。  私は悔しかった。  あまりの屈辱に身を震わせた。   他の方が同室しているのが嫌だ。  しかし、結局はひたすら家のために耐えた。最後は暖かい湯に浸かり、3人の男性たちは出て行った。開放された。  これは間違い。  私はこのような事に手を染めてはならない。  でも、この時の私は悪事に加担したのだ。 「君に決めたよ。ジェニファー、君が皇太子の愛しい女になるのだ。我々は君に全てを賭ける。失敗は許されないからね?」  私の目から涙が溢れた。  私はアンドレア皇太子の愛人になるべく、選ばれた令嬢だったのだ。   ***  5年前、雪の中で派手に転んだ私は、通りかかった馬車に助けられた。ドヴォラリティー伯爵のお屋敷の前で雪にまみれて途方に暮れていた私は、マルキューノ博士とヒュームデヴォン伯爵の乗った馬車に偶然拾われたのだ。  彼らは私を見るなり顔を見合わせていた。馬車の中で私は彼らに丁重に扱われた。
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