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こんなのだめだ。
あの子達の居場所がなくなるなんて、絶対にいやだ。だめだ。
見上げると、上からどんどん雪が降ってくる。寒さで震えながら、私は仰向けに横たわっていた。
「だめっ!嫌っ」
拳で地面を叩く。
雪に覆われた地面を。
私は泣き崩れた。でも、すぐに歯を食いしばって考え始めた。
ここで私が死ぬわけにはいかない。
雪に覆われた大地からよろよろと起き上がった。
今は一体いつなのか?
私の記憶が正しければ、これは私がただの没落令嬢だった時代の5年前の雪の日だ。私は転んで、雪の上でこんなふうに転んだ日のことを思い出した。
2度目のループは5年も前に戻っている?
私の目の前には茶色い壁の大きな館が見える。雪の帽子を被ったそのお屋敷は、ドヴォラリティー伯爵の屋敷だ。5年前のあの日、私はここで転んで、雪の中でひっくり返った。間もなく、馬車で私を助けてくれる人が通りかかる。
でも、その馬車に乗ってはダメだ。
私は必死でドヴォラリティー伯爵の門を叩いた。心臓の音が早鐘のように聞こえる。
彼らに遭遇する前に、頭を整理したい。
作戦を練りたい。
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