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その夜、アケビさんは悩み続けていた。
僕はどう言ったら良いか分からない。
応援もしてやりたい。
でも、応援したらアケビさんは遠くに行ってしまう気がした。
僕の芸能界の話はきっとふざけての話だから全く相手にはしてないが……
僕は一睡も出来ず、朝を迎えた。
アケビさんは何故か、爆睡。
「オーナー、昨日はお世話になりました。
昨日の返事ですけどお誘いは嬉しいですが、バ、バイクはただの趣味だからお断りします。」
「えっ、嘘でしょ〜……
じゃ、取り敢えず、Meの名刺を渡すから、気が変わったら連絡ちょうだい。」
アケビさんは苦渋の選択をしたんだろう……
僕は以前からアケビさんから聞いていたから知っていた。
プロのライダーを夢みていた事を……
これはアケビさんにとって最高のチャンスだったはずだ……
走りを認められたら、プロの道も見えてくる。
アケビさんは、将来の僕との結婚を考えて、断ったんだろうか……
そうだったら辛過ぎる……
僕の為に夢をあきらめるなんて……
アケビさんには、かなり悩んでいたに違いない。
僕との結婚、アケビさんの夢、アケビさんは僕との結婚を優先してくれたのだろうか……
僕は何故かアケビさんの顔を見るのが切なくなった。
黙り込んでるアケビさんに僕は勇気を持って話しかけた。
「どうして、アケビさんの夢を断ってまで……」
「だって、カトケンさんが芸能界に入ったら逢えなくなるもん……」
「えっ、そっちだったの⁇⁇」
「おい!オーナー!
金の卵達を帰したのか!」
「I'm sorry」
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