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緊張してるのは僕と両親だけだ。
アケビさんはキョトンとしてる。
母とアケビさんがテーブルに戻って来て、アケビさんは壁に飾っている写真を発見した。
「太鼓叩いてるの、お父さんですか⁇」
「あっ……こ、これは小倉祇園で、ワシが暴れ打ちをしたとこの写真だよ。」
「凄い!お父さんカッコいい!
小倉生まれの玄海育ちですか?」
「ワシは昔から小倉生まれですよ。
明美さん、だったけ?
よくそんな歌を知ってるね!若いのに……」
「最近の歌は全然分からいですが、私の祖父が演歌が好きなんで私も……」
僕は全然知らなかった。
アケビさんが演歌が好きなんて……
お父さんは棚からお酒を持って来た。
「明美さん、飲める口でしょ!
一杯、飲みましょうよ。」
「父さん駄目だって!
アケビさんにお酒を飲ませたら……」
「アケビ⁇⁇
健二、明美さんの事をアケビとは…… ワハハハハッ
まぁ、アケビさんどうぞ!」
「アケビ⁇⁇」
アケビさんの顔が一変した。
お父さんはアケビさんを気に入ったみたいだ……
しかし、大変な事が起きる……
早く父さんを止めないと。
「お父さん、駄目ですって!
無理に飲ませたら……
明美さん、困ってるでしょ。」
母さんが何かを察知してアケビさんを止めてくれた。
「お父さん、頂きます。
ねっ、カトケンさん、いいでしょ!
カトケンさんがいたら飲んでも構わないって言ったよね。」
確かに僕はそう言った事を思い出した。
「お母さんも良かったら是非。」
アケビさんは母さんにお酒を勧めた。
僕は母さんのお酒を飲む所なんて見た事がない。
「お、お母さん、飲んだら駄目だ!」
父さんは慌てて止めた。
「じゃ、一杯だけ頂こうかな……」
母さんはビールのコップを一気飲みした。
そしてアケビさんまで……
「あ〜ぁ、アケビさん……」
「あ〜ぁ、お母さん……」
父さんも唖然と見てる。
「父さん、母さんはお酒飲んだ事有るの?」
「お母さん、以前、酒癖が悪くってワシが無理矢理辞めさせたんだ……」
「えっ、母さんも、酒癖が悪いの……」
波乱の幕開けだ….
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