ミッション3 嫁にください。

16/18
前へ
/60ページ
次へ
 緊張してるのは僕と両親だけだ。  アケビさんはキョトンとしてる。  母とアケビさんがテーブルに戻って来て、アケビさんは壁に飾っている写真を発見した。 「太鼓叩いてるの、お父さんですか⁇」 「あっ……こ、これは小倉祇園で、ワシが暴れ打ちをしたとこの写真だよ。」 「凄い!お父さんカッコいい!  小倉生まれの玄海育ちですか?」 「ワシは昔から小倉生まれですよ。  明美さん、だったけ?  よくそんな歌を知ってるね!若いのに……」 「最近の歌は全然分からいですが、私の祖父が演歌が好きなんで私も……」  僕は全然知らなかった。  アケビさんが演歌が好きなんて……  お父さんは棚からお酒を持って来た。 「明美さん、飲める口でしょ!  一杯、飲みましょうよ。」 「父さん駄目だって!  アケビさんにお酒を飲ませたら……」 「アケビ⁇⁇  健二、明美さんの事をアケビとは…… ワハハハハッ  まぁ、アケビさんどうぞ!」 「アケビ⁇⁇」 アケビさんの顔が一変した。  お父さんはアケビさんを気に入ったみたいだ……  しかし、大変な事が起きる……  早く父さんを止めないと。 「お父さん、駄目ですって!  無理に飲ませたら……  明美さん、困ってるでしょ。」  母さんが何かを察知してアケビさんを止めてくれた。 「お父さん、頂きます。  ねっ、カトケンさん、いいでしょ!  カトケンさんがいたら飲んでも構わないって言ったよね。」  確かに僕はそう言った事を思い出した。 「お母さんも良かったら是非。」  アケビさんは母さんにお酒を勧めた。  僕は母さんのお酒を飲む所なんて見た事がない。 「お、お母さん、飲んだら駄目だ!」  父さんは慌てて止めた。 「じゃ、一杯だけ頂こうかな……」  母さんはビールのコップを一気飲みした。  そしてアケビさんまで…… 「あ〜ぁ、アケビさん……」 「あ〜ぁ、お母さん……」  父さんも唖然と見てる。 「父さん、母さんはお酒飲んだ事有るの?」 「お母さん、以前、酒癖が悪くってワシが無理矢理辞めさせたんだ……」 「えっ、母さんも、酒癖が悪いの……」  波乱の幕開けだ….
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加