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いったいこの後、どうなるんだ。
僕は恐怖で体が震えた。
いやっ、僕だけじゃない。
父さんも体が震えている……
しかし、久しぶりにテーブルに並ぶ、母さんの料理は美味しくって、お酒が進む。
僕は、付き合い程度しか飲めないが、父さんは、お酒を飲むと陽気になるほうだ。
父さんもお酒を飲んだら、誰が2人を止めるんだ……
父さんは、体の震えを抑える為、コップに入れたビールを一気飲みした。
1番最初に症状が現れたのが、母さんだった……。
「ウイッ……
明美さん、あんたねぇ……
バイクで来るなんてイカれてるよ!
新幹線か飛行機か、せめて健二の車でしょ……」
おそらく、僕の両親は最初からそれが言いたかったみたいだ。
母さんは酒の勢いでアケビさんに小言を言ってしまった。
ヤバい、早くも結婚してないのに、嫁姑の争い事が始まってしまう……
「お母さん、私の趣味はバイクです!
バイクって、自然の風を体に浴びて、いろいろな土地の空気を体全身に感じるんですよ。
名古屋、大阪、広島、山口、そして福岡の小倉。
全てに違う土地の匂いを感じて念願だった九州に着いた時は感激でした。
バイクって気持ち良いですよ」
「バイクねぇ……
確かに気持ち良かったわ!
私がこの旦那と結婚する前、元彼のバイクに乗せて貰った時に私も感じたわ!」
「か、母ちゃん俺は初めてそんな話を聞いたぞ!」
「もう、過去の話よ!
明美さん、明日、私を、バイクの後ろに乗せてよ!
健二のバイクじゃ不安だし、昔に元彼と行った平尾台に連れて行って!」
これは僕の予想を大きく上回る展開になった。
何故か、アケビさんと母さんは肩を組み合いグイグイ飲み出している。
「アケビさん、もうこれ以上飲んだら駄目です。」
「はーい。カトケンちゃん。」
ヤバい……
もう、出来上がってる。
そして母さんまで……
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