俺の女になれ

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 私が、曾祖母の ″ 恋文 ″ を実家で見つけたのは数日前の事だ。  大正、昭和、平成、令和を駆け抜けた曾祖母の長い人生の幕が下りて3ヶ月―― 母と遺品の整理をしていた時、壊れた腕時計と共に、押入れの古い缶ケースから出てきた。 「うわ、レトロなブリキ缶」 「それだけで価値ありそうね、 中身は?…」 「手紙」 差出人は、曾祖母である【 木村小智子(きむらさちこ)】。 宛名は、 「 松下 進(まつした すすむ)?」 母も知らない名前だった。
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